40〜50代になると、ふと気になるのが親のこと。介護や健康のことはもちろん、最近では「終活」という言葉も耳にする機会が増えました。けれど、終活といっても具体的に何から始めればいいのか、どこまで手をつけるべきなのか、迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
たとえば、親が元気なうちは「まだ大丈夫」と思いがちです。しかし、ある日突然の入院や介護が必要になるケースも少なくありません。そのときになってから焦るより、少しずつでも準備しておくことが安心につながります。
親の終活でまず確認したいこと
健康・介護の現状を整理する
親の健康状態や介護の必要性を正確に把握することが第一歩です。日々の食生活や運動習慣、通院状況を確認するだけでも、今後の生活に必要なサポートが見えてきます。
また、介護保険や医療保険の加入状況も整理しておくと、急な介護が必要になったときにも慌てずに対応できます。
最初は簡単なチェックリストを作るところから始めると、親も自然に協力してくれやすくなります。
財産や資産の整理
親の財産は、現金や預貯金だけでなく、不動産や株式など多岐にわたります。特に不動産は売却や賃貸を検討する際、早めに整理しておくことで、後々の手続きや相続がスムーズになります。
ここで重要なのは、「何を持っているか」「どこにあるか」をリスト化すること。遺言書やエンディングノートがある場合は、それを元に情報を整理するとさらに安心です。
財産整理は数字だけでなく、書類の場所や契約内容もまとめておくことが大切です。
遺言書・エンディングノートの活用
遺言書は法律的な効力を持つため、財産の分配や希望を明確にできます。一方でエンディングノートは形式に縛られず、健康状態や介護の希望、葬儀の希望などを自由に書けるツールです。
まだ書いていない場合は、まずエンディングノートから始めるのがおすすめ。文章で整理することで、親も自分の意思を確認でき、家族も安心できます。
「書くこと自体が負担にならないようにする」のがポイントです。
不動産も終活の一部
親の家や土地も、終活の重要なテーマのひとつです。実家が空き家になる場合や、住み替えを検討する場合、早めに選択肢を検討しておくと安心です。
- 売却する場合:市場価値や税金面を考え、最適なタイミングで判断できるように準備します。
- 賃貸に出す場合:管理方法や入居者リスクを把握する必要があります。
- そのまま残す場合:管理費やメンテナンスを計画的に行い、資産価値を維持します。
不動産に関しては、終活の一環として「親と一緒に話す」ことが大切です。親の意向を尊重しつつ、現実的な選択肢を整理することが、後々のトラブルを防ぎます。
親とのコミュニケーションが一番大切
終活は財産や書類の整理だけではありません。親自身の思いを聞くことも重要です。たとえば、「介護は自宅で受けたいのか」「葬儀の希望はどうするのか」といった具体的な話を少しずつ進めることで、家族間での誤解や不安を減らせます。
ポイントは「一度に全部決める必要はない」ということ。小さなステップから始め、親と一緒に進めることで自然に準備が進みます。
親との会話は、気負わず「ちょっと確認したいことがあるんだけど」と切り出すのがコツです。日常の中で少しずつ話題に出すことで、自然に終活が進みます。
終活のステップ例
- 親の健康・介護の状況を把握
- 財産・資産のリストアップ
- 遺言書やエンディングノートの準備
- 不動産の選択肢整理(売却・賃貸・維持)
- 家族で話し合い、希望を共有
これらを順番に確認していくだけでも、親も家族も安心感が増します。無理に一度にやろうとせず、少しずつ進めることがポイントです。
まとめ
40〜50代の皆さんにとって、親の終活は「いつかやるべきもの」ではなく、今から少しずつ始めることで家族全員の安心につながるテーマです。
最初は「エンディングノートを書いてみる」「親と話してみる」という小さな一歩でも大丈夫。財産整理や不動産の扱いも含め、準備を進めることで、将来的な負担を減らすことができます。
親の終活は、家族の絆を再確認する機会でもあります。無理なく、自然に、少しずつ取り組んでいきましょう。